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「成功する」塾選び 10の観点

学習塾の経営コンサルタントが教える、正しい塾選び

8.塾は利用する場所

いくら指導力のある塾だったとしても、与えられるばかりになって、利用しないと思ったような成績は得られません。なぜなら、塾は最後には逃げ口上を垂れることができるからです。成績が上がらないのはお宅のお子さんが勉強しなかったからです、と。いやいやそんなことはわかってるよ、勉強しないからそちらの塾に子供を預けたんですけど。と言いたくなりますよね。消費者の観点から言うと、当然塾側が悪いのですが、現実はそうも言えません。同じ塾に通っていても、伸びる子は伸びるし、伸びない子は伸びない。伸びる子がいるということは塾としてのやり方は間違っていない。伸びない子は言われたとおりに勉強しなかった。という三段論法ができ上がってしまうのです。そしてそれも事実なのです。じゃあ、うちの子が勉強しなかったせいだと泣き寝入りをしろと言うのか、というとそういうわけでもありません。塾は勉強を教える場所、子供は努力するもの、という構図を変えていかなければならないのです。それが現実できていない。だから、塾はどこに行っても同じことをやっているし、伸びる子もいれば伸びない子もいる。

塾側はなかなか変わりません。塾の先生は先生稼業をやってきたせいで、自分は正しいと思い込んでいます。日本社会が変わっていることに気づかず、子供も変わってきていることに気づかず、10年前と同じ考え方で10年前と同じ仕事をしています。子供がスマホを持っているから勉強できないんだと言っています。5年前の統計資料を持ってきます。18歳以下の子供へのスマホの普及率、スマホを利用する時間の資料、学力の推移。ほら、スマホを持つ子供は勉強ができないのですよ。と煽るわけです。統計を利用する人は都合のいい解釈しかしないですからね。都合のいい統計資料を持ってくる。いやいや、スマホを長時間利用する子供の学力が下がっているだけじゃん、と同じ統計資料でも違う見方はできてしまうのです。単純に、スマホを持っているから悪いのではなく、利用の仕方の問題なのです。

でも、現実は、まんまと煽られてしまう方も悪いと言えば悪いのです。説得力のあるプレゼンには必ず数字の資料がついています。コンサルタントをやる中で、数字の資料の説得力は大きいと実感しています。広告でも、98%の人が満足と答えています、という宣伝文句を見ると、いいものなのかなと思ってしまいます。これだけ物事を簡単に調べられる時代になったのだから、自分で調べて、その数字の情報が正しいものなのか、他の見方はできないものか、自分で考え判断する力を大人もつけるべきなのです。そしてそれは子供たちにつけていきたい力でもあるのです。そのためにはまず大人からです。

で、ここで一番言いたいことですが、塾は子供の預かり所ではありません。だから、預けるだけでは、成績は上がらないのです。目標とする学校には合格しないのです。子供のやる気を維持でも上げて、成績をなんとしてでも上げる、なんとしてでも合格させる、と心から考えられる塾の先生は少ないです。不合格になって涙を流しながら謝る塾の先生なんてもう見かけません。ウソ泣きでもなんでも、嫌だなと思いながらやっている人が多いのです。なんとかその場の怒りだけを鎮めようと躍起になっています。そして最後にはお宅のお子さんが勉強しなかったせいだと思っているのです。塾の中では、自分が勉強しなくて、落ちたのは当然なのにあいつは塾のせいにしやがったというショッキングな会話が行われることだってあるのです。私はまだそんな現場に出くわしたことはありません。そんな現場に出くわしたら、私はがっつり怒ってその塾の看板を壊してしまいますから。不合格になるのは子供のせいではありません。受かるか受からないかなんて、経験のある塾の先生なら一年前からわかるはずです。だったら、その現実を受け入れて、一年間がんばらせるしかないのです。がんばらせるのも塾の仕事です。このままでは落ちますよ、と言って志望校を下げさせるとか脅すとか、塾の常とう手段ですが、それは間違いなのです。だったらがんばらせてくれ、脅すだけじゃなくて、どうやったらいいのか、教えてくれ、そもそも本人のやる気の問題なら本人のやる気が上がるようになんとかしてくれ、と言いたくなります。

だから言ってください。

塾は利用する場所なのです。今のやり方で間に合わないのであれば、どうすれば間に合うのか、考えなければなりません。そして、間に合うように、塾を利用してください。親が言っても本人が言うことを聞かないのであれば、塾の先生から言わせてください。

でも、そこも注意が必要です。本人のやる気が上がるように先生から言ってもらっていいですか?というお願いを保護者の方から聞くことがあります。そう言われて塾の先生は何かすると思いますか?何もしないのがほとんどの塾の先生ですよ。学校の先生もそうですよ。そんなこと言われても困るというのがほとんどの先生ですよ。だから、言い方を変えなければなりません。「本人のやる気が上がらないのですが、先生ならどうかしてくれますか?」です。これで断る先生はいません。「はい、任せてください。」と答えます。そうしたら、「どうやって上げてくれますか?うちではなかなか難しくて…。」と言うのです。塾の先生は「私からまずは本人と現実の状況も踏まえて話します。他の授業担当からの意見も聞いて今の時期に何をしなければいけないのか具体的に話していきます。それでも変わらないようだったら、三者面談でもしましょう。」みたいに心強い言葉を言ってくれます。これは私のコーチング理論なのです。漠然とした質問では、相手はその場をやりきる返事しかしません。つまり考えないのです。だからって、本人と話してください、と直接お願いしても、相手は何を話すか考えずにその場をやり過ごします。私のコーチング理論と言うのは、やってほしい行動があれば、質問をしてその行動をするように、本人に考えさせて、本人の口から言わせるということです。人間の行動の答えはすでに人間の中にあります。本人と現状について率直に話すということが、答えなのであれば、その行動をするように相手の口から言わせるのです。そのための質問をしていくのです。質問の答えを考える間に、相手は自分がこれからする行動の正解を考え、見つけ出していってくれます。

 

私のコーチング理論の一部はこちらでも紹介しています。

 

もう言わない「勉強しなさい」 10のコーチングテクニック

 

自習室を用意している塾はたくさんあります。その自習室を信用しきってもいけません。質問できる環境なのか、本人が実際に集中してやっているのか、確認しなければなりません。とにかくやってほしい行動があったら、こちらからどんどん言っていかなければなりません。塾を利用するのです。塾側も利用されることで進化していかなければならないので、うるさい親と思われるかもしれませんが、あとあと感謝されるはずです。一人でできなければ、仲間を増やしてください。塾にとって、お母様方というのは大事な大事なお客様です。本人たちから言うよりも効果は大きいのです。

7.塾の指導力を見極める

塾の先生と話しました。しかし、その先生がすべての授業をしてくれるわけではありません。むしろ一人の先生が全教科授業をしていますという個人塾は無理な運営をしています。先生だって得意不得意はあります。先に予習しておけば与えるだけの授業はできます。でもそれはあまりいいことではないと思うのです。理科や社会なら知識教科だから事前に答えがわかっていれば教えることはできます。

でも、その教科を専門でやっている人は、やはり誰にも負けないように、というつもりで研究しています。どうやって教えたら一番わかりやすいだろうか、答えを導くために必要な知識を持っています、導入は生徒が興味を持てるような内容で研究しています。

それに対して、専門外でやっている人は、前にこんな話をしたら生徒にうけた、とか、単純に研究時間が一教科あたりは短くなるので、何年も前と同じような授業をします。専門外の授業でもそれなりに自信を持って話せば生徒は、なるほどーと言ってくれます。うまいこと持ち上げてくれるものなのです。それに乗っかっているだけです。先生だってわからないことがあるんだ、と生徒はおおらかに見てくれます。そんなことにも気付かずに、生徒の優しさに甘えて、研究もしないで悦に入った授業をします。

簡単に言うと、一人で全部やる個人塾の先生はただ単純に人件費を抑えるために一人でやり、生徒をなめ切って研究不足の授業をしています。おそらくその先生は一人で全部見た方がその生徒のことを理解できるから、とか言うでしょうが、何人かの目で見てあげた方が子供の経験としても重要なことですし、本当の理由は人件費の節約です。もしくは、一緒にやってくれる仲間がいなくて仕方なく一人でやっているということです。気をつけてください。

何人で一人の生徒を管理するのかは確認してください。集団塾であれば、教科ごとに講師が変わるのか、文系理系でわかれるのかなど、です。だいたい一つの学年を2人~4人で回すところが多いと思いますが、教科の専門家がプロとして授業をするのかどうかは事前に確認しましょう。個別塾であれば、学生が多くはなると思いますが、担当制なのか、コロコロ変わるのかを確認しましょう。

個別塾はアルバイトの大学生の確保が本当に難しいのです。大学のテストがある時期は休みますし、地方から来ていて実家に帰るなどもあります。アルバイトなので、正社員よりはやはり風邪などでも休みます。交通機関がしっかりしていないと、そもそもバイト希望者すら少ないはずです。だから個別塾は大学生の確保が本当に厳しく、質の悪い学生を雇わざるを得ない状況の塾もあるし、大学のテスト時期は担当の先生が変わる場合があります。

担当の先生が気に入らない場合もあります。体験授業をしている先生はその教室で一番の先生です。現実に担当するのは違った人になる場合が多数です。

個別指導では、先生によって当たり外れはありますよね?という質問をしても無駄です。塾側は、先生によって違いがないようにしっかり研修しています、と建前を言います。誰がやっても同じ授業になるように、個別指導用のテキストも作られています。集団授業でも授業をマニュアル化している塾もあります。でも、どうでしょう。マニュアル化された授業で、その塾の指導力があると言えますか?塾側は平気で言うのです。指導力は自信があります、と。結果授業はマニュアル化されて、誰がやっても同じ授業になるよう研修しているのです。

私が授業をするとしたら、マニュアル化される塾では絶対に授業しません。今、コンサルタントとして塾の立て直しや改革を任されたら、まずはマニュアル化されている授業をなくします。塾側は授業の質の安定化というきれいごとを言っていますが、私の意見は、人気のある先生、人気のない先生が能力によって出ていいと思っています。人気講師がいなくなったらダメになる心配があるから、とか言いますが、人気講師に頼っている間に勉強しなかった後輩たちが悪いのです。

だから、個別指導塾で、先生によって当たり外れはありますよね?という質問はせずに、人気の先生は誰ですか?その先生に担当してもらえますか?と直接的に聞いてしまいましょう。絶対トップ講師はいます。体験授業をしてくれた先生に担当してもらえますか?でもいいです。面談をしてくれている教室長は親の目からは良く見えます。でも、知識ばかりでいい授業をするかどうかは分かりません。

講師によって差があっても、指導力に自信を持っている塾を選ぶようにしてほしいと思います。

6.絶対に聞くべき質問①

面談で散々その塾の宣伝を聞いたら、今度はこちらから質問をして、その塾のことやその先生のことを知りましょう。

 

・この塾の売りは何ですか?

・この塾を卒業するときにうちの子はどうなっていますか?

 

聞き方は変わるとは思いますが、一例としてはこの2つです。この2つの質問で何を知ることができるのか、が大事ですね。コーチングテクニックと同じで、質問することで相手にどういう行動をとってほしいかという目標を持って質問しなければ意味がありません。

 

まず、この塾の売り、についてです。これは私がされて困った質問の一つです。しかし、とてもいい質問だと思うのです。この一つの質問でいくつかのことが分かる便利な質問です。まずはその先生がスムーズに答えられるかどうかを見てください。しどろもどろになるということは、何も考えずに、何も準備せずに面談に臨んでいる先生なので、これ以上話す価値はありません。でも、よくあることなのです。自分の話したい営業トークばかり並べて、それはスムーズにしゃべるけれども、予想外の質問には弱いという先生もいます。塾の先生は営業の専門的な訓練を受けているわけではないし、向上心の低い人も多いです。学んできていない人が意外と多いのです。次に、答えの内容ですが、集団と個別の違いを説明する人もいます。こちらが答えさせたいのは、その会社全体のことではなくて、お子様が通うことになるかもしれないその教室についてです。同じ会社でも教室によって運営は違います。違わないようにマニュアル化されていますが、運営する人が違えば、教室の雰囲気は違ってくるはずです。ロボットではなく人がやっていることですから。同じブランド名でもフランチャイズで全然内容が違うということもあります。YDKで有名な全国的な個別指導塾はフランチャイズなので、教室によって全く違う塾といってもいいぐらい、当たり外れがあります。

さらに、他と比べる先生もいます。○○塾と比べて、うちはこうです、と。近所の○○塾は集団で、先生も厳しいし、宿題も多いし、日程も融通が利かないし、それに比べてうちの塾は個別だから生徒さんに何事も合わせて進めることができますよ、という感じでしょうか。この説明の仕方をする先生も信用できません。自分の教室に売りがたくさんあれば、他と比べる余裕などないはずです。言いたいことがたくさんあるはずなのです。そこで他塾の話が出てくるということは、自分の教室に自信がないからです。他と比べなければならないのです。これはテストが返ってきた子供の反応と同じです。60点なんかとって!とお母さんに怒られたら、本人は、平均点が低くて、とか、友達の○○くんより上だよ、とか言いますよね。大人も同じです。特に子供大人が多い塾業界ですから…。

その塾が持つ教育理念をしゃべる先生もいるでしょう。私がそうでした。ただ、教育理念を滔々と話す人にはさらに突っ込んでください。教育理念とは、自立した人間を育てる、など抽象的な内容です。それを丸暗記のようにバカみたいに繰り返す先生はただのバカです。だから、具体的にはどうなんですか?と突っ込んでください。

だって、どうすれば自立した人間が育つかなんて、決まった方法があるのですか?人の気持ちを慮る人間の育成と理念を掲げて、その塾は何を教える塾なのですか?絶対合格という理念を掲げて、今まで不合格の生徒はいないんですか?いないんだったら、受験制限をしているでしょうと疑ってください。多くの塾の先生はこの段階で、具体的には話せません。信用できませんね。

 

では、この質問で、相手にどのような行動を期待することができるのか。

これは大きなことなのです。そこで先生が話した通りの指導をわが子にはしてくれるはずです。本人とたくさん話して、勉強に前向きにするのが売りです、と言ってのけた先生は、そこで保護者との約束となってしまったことに気づくはずです。こちらが、じゃあお願いします、と言えば、その時点で約束が成立し、その先生は自分が言ったとおりがんばってくれるでしょう。もし、入会後に、言ったとおりにしていなければ、電話してやればいいのです。もしくは次の面談の時にもう一度同じ質問を聞いてみるといいのです。予想外の質問には、口から出まかせを言っている先生もいるという疑いは持っておいていい常識です。だから、自分の口で言ったとおりに教室を運営しなさいよ、うちの子にサービスしなさいよ、という約束をすることがこの質問の目標です。直接は言いづらいですよね。サービスしなさいなんて。でも、うまく相手に言わせることができれば、直接言う必要もないのです。

 

次に、この塾を卒業するときにうちの子はどうなっているか、という質問です。

この質問の意図は、卒業というひとつのゴール地点を塾の先生がどう見据えているかを確認することです。そして、とらせたい行動目標は、上記と同じく、自分で言ったからにはその行動を全力でやりなさいという約束です。

まず、意図のほうですが、塾の先生から引き出したい言葉は、「合格」です。あれ、おかしいな、と思いましたか?私は合格をゴール地点に置く塾は信用できないと何度も言ってきています。考えが変わったの?というわけではありません。あくまで、塾のゴール地点は合格です。それを求めて塾探しをするのです。合格が大前提として存在し、そこから理念に沿った指導というのが付随してくるのです。だから、先ほどの質問で散々教育理念を語らせ、今回の質問では、実際のところを語らせるのです。ここでまた教育理念を持ち出したら、それは塾の先生の負けです。塾の先生からしたら、さっきも説明したのにまた説明するの?面倒くさいな。と思いながら、先ほども言いましたが、卒業時には自分で考え行動できる人になっていてもらいたいと考えております、なんてことを自信満々で答えるのです。そんなことを言ってきたら、「それはさっきも聞きました。」とだけ言って黙ってあげてください。塾の先生は焦りますよ。塾の先生の心理には、このお母さんは同じような質問をしてきて、さっきの質問の答えを聞いていたのだろうか、面倒くさいけどもう一度話してやろうという気持ちがあり、主導権は自分が持っていると勘違いしています。その主導権を一気にお母さんのほうに引き寄せましょう。その時に使うテクニックが、これです。「それは先ほども聞きましたけど…。」大事なのはその後、黙るということです。カウンセリングのテクニックで、カウンセラーの沈黙があります。患者に話をさせるためのテクニックです。それを使うのです。塾の先生は、自分の答えは間違っていた、お母さんが求めているものは違った、と焦りながら、正しい答えを探します。そうやって塾の先生に考えさせてください。そうすれば主導権はこちらにやってきます

塾の先生は、「合格」がゴールです、とは言いたくないのです。不合格の可能性があるわけですから、約束をしたくはないのです。だから、ゴールは合格ではなく、その先にある人間力ですなどと言って逃げるのです。理念として、人間力を育てるというのはとてもいいことですし、教育機関はそれを目指していなければいけないと考えます。それでも、「合格です」という一言を引き出してあげてください。

どうしても「合格」と言いたくない先生はさらに逃げ口上を述べるかもしれません。楽しく学びながら、自信をつけていきたいと考えております、とか言ってくるかもしれません。そうしたら、「そうですか、それなら他の塾でも同じことを言われました。」と言って黙ってください。そうすれば、塾の先生は他の塾には負けたくないので、「自信をつける最大の要因は合格だと思います。だから、最後は合格を勝ち取って、いい笑顔で卒業できるように願っております。」と言ってきます。ここまできても、まだ、「万が一合格できなくても、人間として成長していることを目指します。」と言っていれば、その先生はよほど自分の指導力に自信のない先生です。信用はできないかもしれません。

これによって、合格に向けての指導ということが約束されました。この二つの質問で、こちらからはちょっと言いづらい約束でも、塾の先生の口から言わせることに成功します。経験あるとは思いますが、世の中、口から出まかせで生きている人は結構いるのです。

5.面談で聞いてほしいこと

面談に行って、聞かされることはその塾の宣伝です。どの塾も、自分ができる最良のものを商品として売っているので、宣伝はすべていいように聞こえます。だから、こちらから聞いていかなければ本当のところ、塾による違いというのは見えてきません。私も経験の中で、面談で聞かれて困った経験もあります。自分が心からこのコンテンツは良いと思っていないものを売らなければいけない時もありました。基本的には先生の熱が入っているところはその先生が信じているところです。宣伝として聞いていても面白い先生もいます。私は若いころは自分の授業の再現というぐらい授業の宣伝をしていました。それは全国1位になったプライドもあったし、自分の授業は最高だと信じていたからです。しかし、一生懸命宣伝しても空しくなる時がありました。私はただ自分に酔っているだけではないか、塾の売り込みではなく、自分の売り込みしかしてないではないか、と考えたのです。先生によっては面談は話すものではなく、聞くものだという方もいます。人の話を聞くのが上手な人と下手な人といますが、私は聞くのは得意ではありませんでした。それでも、研修で面談は聞くものだ、やたらと宣伝しているのは間違いだとちょうどいいタイミングで学んでしまったので、聞く練習をしました。聞くトレーニングは、自分がこの人は聞くのが上手だなと思う人の真似をするのです。真似してやってみると、ああ、この質問のおかげで相手は話しやすくなるのだな、この相槌のおかげで相手は話してしまうんだなと感じるものがあるのです。その気付きを実践していき、理論化するのです。それについてはまた別の機会で話しましょう。私の結論は、宣伝は必要ないけれども、話をすることは大事、聞くことも大事ということです。それでも、塾の先生によっては宣伝をする人もいるでしょうし、システムの説明ばかりする人もいるでしょうし、質問して、こちらの聞きたいことを聞こうとしない人もいるでしょう。であれば、質問していきましょう

それでは、どんな質問をしますか?

リストアップしてみましょう。

人の話を聞く第一歩は質問力です。今日私はレストランの店員さんに、お皿を片づけるついでにいくつか質問されました。

「塾の先生だったんですか。」「はい。」

「いいですね。」「いやいや。」

「何を教えていたんですか。」「英語とか数学とか国語とか社会とかいろいろです。」

「ほとんどぜんぶですね。すごいですね。」「いやいや、たいしたことないんですよ。」

と、私は質問されるとは思わなかったので、気の利いた答えができなくて、とても恥ずかしくなりました。それでも、その後は何かあればその店員さんに来てほしいと思いましたし、お店を出るときはその人においしかったですとどうしても伝えたくなりました。とても良い気分で、またそのお店に絶対に行こうと思っています。

そんなことはさておき、リストアップはできましたか?

ちなみに、あるお母さんからこんな質問をされました。転職して2日目で、45歳の塾講師歴20年以上のベテラン講師が、ぜひやってくれと言ってきたのです。最初からこの会社は私のことを信用しているのかと思い、張り切って面談に臨みました。

この塾の売りは何ですか?他の塾とは何が違うのですか?

ストレートです。しかも、転職した直後だったので、まだ自信を持って塾全体の売りはよくわかっていませんでした。私は絶対にウソはつきたくないので、塾の教育理念を具体的な例をつけて話し、自分の理想もつけたしました。それでもまったくたいしたことは言えなかったのです。

「この塾の教育理念はまず第一に自ら考え、自ら行動し、問題を解決する力を養うことです。数学の問題に自力で答えるというわけではなく、自分の理想や夢を見つけそれに向かって力強く進めるように支えたいと考えています。第二に、授業を大事にしています。授業はただの知識の伝達ではなく、問題解決の手段を手に入れる場でもありますし、私たちの経験を伝える場なので、長編の本を読むのと何も変わりません。だからこそ、研究していますし、よりよい授業を提供できるよう私たち自身成長していくようにしています。あとは、何より楽しく授業をすることですね。あははと笑っているうちにできるようになれば、本人にとって勉強は苦痛ではなくなりますからね。第三に、生徒本人との対話を大事にしています。会話をしないと、性格もわかりませんし、考えていることもわかりません。悩みを抱えていてもわかりません。勉強ができればいいというものではないです。私たちが、塾として思春期の子供たちの成長に大事な時期にかかわる者として、会話ができていないと目的を達することができません。私たちの目的は本人の成長によい影響を与えることです。そうして、人生の角度が一度でも変わってくれれば、と考えています。今の一度は小さくても、10年、15年たてば大きな広がりとなります。そんなことを目指しているのがこの塾の売りです。」という話をしました。今考えれば、もっとこうしたほうがよかったなどありますが…私はそのお母さんが求めている答えだったのか不安でした。

お母さんは無事本人の入会を決断してくれました。即決してくれたわけですが、帰りがけにお母さんは私に小声で言いました。

「実は本人に姉がいて、以前に姉が講習会を受講したことがあったんです。そのときに面談してくれた先生があまり信用できなくて入会はしなかったんです。この塾の売りを聞いたときに、しどろもどろで何を言ってるのかわからなくて、信用できなかったんです。」

ピンと来てしまい、私にこの面談を投げた先輩職員に聞きました。

「お姉ちゃんが以前に講習会を受けていたみたいですね?」私の意地悪な性格を物語る言い方ですね。

「そうなんだよ。変な質問ばかりするお母さんで、本人はやる気のかけらもないし、入会もしなかったなぁ。」

「あー、この塾の売りは何ですかって聞かれましたよ。」

「そんな質問されたかなぁ。」

という返答でした。きっとその職員にとっては思い出したくない記憶なのでしょう。その失敗から学んでほしかったのですが、本人のせいにしようという意思が見え見えで、そこに逃げる態度が気に食わないし、そういうことをしていると学んでもいないのでしょう。その職員にはその後も大変イライラさせられました。

そのお母さんとは、その後も良い関係を築くことができました。娘のことはすべて先生に任せます、と。本人がとても自立した生徒だったので、私が与えた影響は少なかったかもしれませんが、将来はバイオテクノロジーの研究をするという夢を持って、がんばっていました。つい先日、本人からその夢をかなえたという連絡があって、とてもうれしかったです。

 

私が若い時、つまり何も考えずにただ塾講師という職業を楽しんでいたときに聞かれた質問です。

この塾は進学塾ですか、学習塾ですか?

若いくせに「先生」なんて呼ばれて調子に乗っていた私は、少し鼻で笑ってからこう答えました。

「お母さん、私たちの世界では学習塾も進学塾も違いはないんですよ。塾名の前に入っていることでしかなくて、そんな違いなんてありません。ただ、みんな合格するために通っているから私たちは進学塾だと思います。」

それでそのお母さんは納得してくれたから私は何と運がよかったことでしょう。その後私は何も気にすることなく仕事をし続けました。何年も経ってから、突然このお母さんのことを思い出したのです。私の考えが大きく変わったと気づくポイントでした。ぜひ、面談で聞いてほしい質問の一つです。その先生が自分の塾のことをどう考えているかわかるからです。

この塾は塾名に進学塾と書いてありますが、進学塾なんですか?

合格がゴールと考えていれば、進学塾だと答えるでしょう。プライドだけが高くて何も考えていない人も進学塾だと答えるでしょう。進学塾と言ったほうが強そうでかっこいいからです。

私がこのブログの中で、塾、学習塾、進学塾と言葉を使い分けていることに気付きましたでしょうか。私は今、進学塾だと自信を持って言う塾の先生を信用しません。私が塾に求めるものは進学ではないからです。それはもちろん大事なことですが、塾で学ぶゴールは進学にあるのではなく、その先に広がっている未来にあるのです。本人が夢や希望をかなえる、そのために努力できる、そんな人間として大事なことを塾で学んでほしいのです。だから塾は自信を持って、学習塾です、と答えてほしい。進学が目的ではありません。もちろん希望の進学をかなえることは重要ですが、私たちが影響を与えることで本人の力がついて、進学という希望はかないます。つまり努力すれば進学自体はかなうものなのです。大事なのはその先です。成績優秀という生徒ばかりではありません。合格実績とかで広告に載せられるような学校にみんなが合格しているわけではありません。それでもその生徒たちが努力することを学ぶことで、進学よりも重要なことを身につけてほしいと願って日ごろの授業をしています。と、堂々と言ってくれる人のほうを信用します。

次からは具体的な質問を見てみましょう。

4.体験授業に行ってみよう

次はいよいよ体験授業に行ってみましょう。この体験授業の形式も塾によって違います。体験授業の前に面談に行く、体験授業と同時に面談を実施する、体験授業の後に面談をする、体験授業の後に電話連絡が来る、体験授業しかしない。体験授業も1週間、3回、1回だけ、などさまざまあります。集団塾であれば、開講している授業を塾生に混ざって受けることとなり、普段の様子が最もわかります。しかし、個別指導塾は普段の授業の様子というのはわかりづらくなります。なぜなら、体験授業を担当する講師はその教室で最も優秀な講師でしょうし、授業の内容も最も面白く上手に説明できる内容となるからです。個別指導塾の体験は、その教室全体が持つ雰囲気を味わうことがメインとなります。体験授業というと、本人は緊張します。よい緊張感で授業を受けるので、いつもの授業よりもわかると思います。だから、集団塾でも個別指導塾でもその教室の雰囲気を味わうということが大事になります。本人がこの塾は絶対に嫌だと言ったら、それには言葉にもできないような本当にいやな理由があると思います。いくら保護者の方が気に入っても、本人が絶対に嫌だというところは選ばないほうがいいと思います。本人が絶対に嫌だという理由にはいくつかあると思います。はっきりと言ってくれれば納得もいきますが、どうしても嫌だという場合もあります。学校で仲の悪いクラスメイトがいたとか、担当した先生が馴れ馴れしくて嫌だとか、いろいろあるのだと思います。本人が乗らなければ、勉強の効率も悪くなるので、お金の無駄遣いにならないように本人の意見はよく聞きましょう。

体験授業で本人が大きく変わると期待はしないほうがいいです。しかし、授業直後は絶対にこの塾がいいといい笑顔で言ってくれる場合もあります。勉強する場に行きたいと目を輝かせて言ってくれたらうれしいですよね。塾側もそんな風に言ってくれたら、とてもうれしいです。やってて良かったと実感できる瞬間でもあります。その場合も理由は聞いておいてくださいね。どうして行きたいの?がんばれそうだから。じゃあ期待しているよ。という会話があってほしいです。塾側も即決してくれるとうれしいですが、その場の勢いだけで決めても、あとから思っていたのと違ったということにならないように、勉強をしに来るという目的意識は持ってほしいと願っています。

保護者の方も昔のように授業を受けてみたいと思うかもしれませんが、本人の集中力がそげたり、周りの生徒の集中力がそげたりするので、のぞくだけにとどめておきましょう。保護者の方は面談という大事な役目があります。

体験授業時に本人に付き添いで行くこともあると思います。面談で行くにしろ、教室の中を見るチャンスですので、しっかりと見てきてください。掃除が行き届いているか、職員のデスクは乱雑でないか、教室内での飲食の様子、他の生徒の様子など一瞬で目に入ってきて、一瞬で確認できるものです。特に他の生徒の様子は、重要です。知らない生徒なら挨拶まではなかなかしないとは思いますが、生徒が明るいか暗いかは雰囲気でわかります。授業中であれば、集中しているか、寝ていないかなど見れます。自習室のある教室では自習している生徒の様子が見れます。自習室で寝てないか、飲食してないか、しゃべってないか。職員のデスクが乱雑であれば、忙しい方なのかもしれませんが、デスクの乱雑さはその人の頭の中の乱雑さを表します。仕事ができる人かというと、否です。教室の電話の様子もよく見てください。電話がよく鳴る教室は、うまくいってない証拠です。職員がしっかりしてなければ、連絡事項など伝わってないことが多いので、電話がよく鳴るのです。もし、授業時間に社内の電話をしているのであれば、それはその会社がもう駄目です。どんなに急用でも、授業をしていないとわかっていても、生徒がいる時間に社内の用で生徒対応の時間を無駄にするような塾は良い塾ではありません。教室の匂いのような空気感は感じ取ってほしいと思います。塾とラーメン屋はよく似ています。どんなにおいしくても汚いラーメン屋は入りづらいです。どんなに評判が良くても、汚い塾は入りづらいですね。掃除の様子もうかがってください。ゴミが落ちている、角にほこりがたまっている、エアコンや靴箱がにおう。面談で生徒が使っている机を利用するのであれば、拭き掃除の状況も見えます。たまに、拭き掃除をしていないどころか、消しゴムのかすが乗っていたりします。よく見てみてくださいね。

さて、いよいよ面談です。面談では営業トークを聞くだけではなく、こちらからもいくつか質問しましょう

3.問い合わせをしてみよう

集団塾がいいか、個別指導がいいか、大手がいいか、地域の塾がいいか、いくら検討ばかりしても、直接その塾を見ないことには始まりません。見当をつけた塾の情報収集をしましょう。

情報収集の手段は①ホームページ、②電話問い合わせ(資料請求)、③直接行ってみる、④面談を申し込む、というところです。ここでは、①~③について書きましょう。④は体験授業と同時に面談が行われる形をとっている塾が多いので、次の話にします。

まずは①ホームページで情報収集です。塾のホームページはどれも同じような作りになっています。最初に目に入るのが、「入会金無料!」とか「無料講習にご招待!」とかの料金に関する記事です。塾探しをする時期にもよりますが、春、夏、冬の講習会が塾にとっては大きな集客の時期ですので、そんな時にはお得に入ることができます。最近は価格競争が激化していて、「入会月1カ月分無料!」などずいぶんお得になっています。前にも書きましたが、塾にとってはマイナスなので、他で補うことになります。ただ、一度入会してしまえば、年間で30万円から70万円なので、入会時は低くしても、とにかく入会さえしてくれれば、というのが塾の狙いです。さらに、月々の料金には見た目の差はありますが、月々が低くても講習会の料金が高い、連休ごとに講座を開いて追加料金がかかるなど、マイナス分を補うために様々な手を打つのが塾の手段です。つまり、表面化される入会時の安さや月々の安さというのは塾を見分ける差にはなりません。大事なのは、年間でいくらかかるのかという表面化されない部分です。ただ、ホームページには年間の費用までは載せないですし、月々の授業料さえ載せない塾が多いのです。価格競争に自信のない塾は費用を載せません。ホームページで確認できる内容は他にもあります。コース設定や授業時間です。集団塾であれば、習熟度別や志望校別ににクラス分けをしていたりしますので、実際に通えるのかどうかという確認も必要です。ホームページからわかることはまだあります。見た目の問題です。きれいなホームページなのか、更新もされてないようなとりあえずのものなのか。一概に言うことはできませんが、ホームページがきれいな塾は教室もきれいです。その逆もしかりです。では、問題です。塾の先生は見た目に気をつける人が多いか少ないか。

これがびっくりです。わかっている先生は、かなり気をつけます。生徒や保護者の方に見られる仕事だということを。しかし、多くは気をつけていません。良い授業をしてれば関係ないだろうという判断です。良い授業をして、見た目もきれいであればもっと良くなると思うのですが、塾の先生は学んでいかない人が多いので、これでいいと思ったらそこからの成長をしないのです。面談のところで詳しく書きましょう。

大事なのはここからです。ホームページには他の情報も載っています。教育理念です。教育理念は必ず見てほしい。そもそも教育理念を持っていない塾もあります。保護者の方が求めるものは、成績が上がり志望校に合格することですね。塾はずっとそれを求められてきました。その結果、塾側も合格実績を前面に出したり、成績にこだわるようになってしまいました。中には、合格実績を作るために、成績優秀な受験生をつれて、受験ツアーをする塾もあります。塾が宿泊費や受験料を払い、絶対に行かない学校を受験させるのです。その塾に行ったからといって、みんなが希望の学校に合格するわけではありません。そして、合格実績は作ることができます。各塾の合格者数を足してみるとわかりますが、定員もしくは全合格者の数を上回ります。不思議なことですが、ダブルカウントなど当たり前です。そういうことをしてきたから、塾は信用できないものになり下がったのです。それでも、塾に求めるものはいつの時代も変わりません。しかし、考えてみてください。成績もあげてくれる、一生懸命やってくれる、合格も勝ち取ることができた。さらに、立派な教育理念を持っており、それに即すような教育をしてくれた、合格よりも大事なことを学ぶことができた、将来の夢は塾の先生ですとお子様が言うぐらいの影響を受けたらどうですか?そんなに良い先生に出会えたのね、それはとてもいい出会いだし、合格よりも重要なことを学ぶことができて良かったねと思いませんか?塾の教育理念は、「自分で物事を解決する力を育成する」とか「人として大事なことを教えます」という理念が多いです。月並みですが、ホームページで確認するのは理念を持っているかどうかだけでいいと思います。詳しくは面談で聞いてみましょう。教育理念はどんなことですか?と。面談している職員が答えられない場合は理念など形だけのものだと化けの皮がはがれます。私は理念を打ち出しているだけ立派だと思います。それほど塾というものは何も考えずに利益を追求するものが多いのです。

それと、検索をすると口コミ情報が出てきたりもします。これはなかなか信用できないものです。塾によっては、会社の指示として、口コミ情報を職員が投稿していたりします。そういうずるいことが外に漏れないように信用できる本部の職員にやらせていたりします。もちろん、善意で書いてくれている保護者の方や生徒がいるのですが、その選り分けができないので、鵜呑みしてしまうのはよくないと思います。

 

次に②の電話です。ホームページで確認できなかったことを確認しましょう。たとえば料金です。ホームページには料金を出していなかったり、一番安いものだけ出して、他にたくさんかかるという場合もあります。細かく聞いたほうがいいです。入会金はいくらですか、教材費はいくらですか、と。しかし、中には聞かれたことにしか答えないという詐欺のような塾もあります。一番いいのは、年間で合計いくらになりますか、という聞き方でしょう

電話では、相手の様子をうかがうこともできます。電話の応対だけで、嫌な気分になるようであれば、その塾は客商売であるという大前提を失っています。その、応対の感じ、感覚のようなものは気分で判断してください。ホームページの情報が少なければ、資料請求をしてみてください。住所や名前という個人情報を教えることとなるので、要注意ですが、ここでもその塾の様子をうかがうことはできます。遠方の塾でない限り、同じ市内だと思います。郵便局は24時間受け付けておりますので、当日に出せば、翌日には届きます。2日以上かかるようであれば、仕事の処理能力が低いと判断していいでしょう。それはお子様を預けても、何かと遅いことを示唆します。個人情報を教えるということは、入会しなかったら、DMは年に3回ぐらいは届くことになるでしょう。興味がなければ捨てればいいものです。悪用はされません

③直接行ってみる。まずは塾の外観を確認しましょう。外から確認できることは、たとえば、ゴミが落ちてないか、自転車が乱雑に並んでないか、外に出しているパンフ類がなくなってないかなどです。私なんかはあえて、お父さんお母さんが帰宅するような時間に外の自転車をきれいに並べたりしていました。途中から面倒くさくなって、生徒に厳しく言ってきれいに並べるようにさせましたが…そんな計算高い塾の先生が多いとはいえませんが、先生がきれいに並べていたとしても、自転車がきれいに並んでいるのを見れば、保護者の方は、生徒への指導がしっかりしているんだなと思ってしまいます。ゴミ拾いに関しては、私は単純に汚いのが嫌だったので、やっていましたが、平気で汚い塾は存在しますね。それはその塾の先生の職務怠慢だと思います。窓に外向けに「○○大学合格!」とか「定期テスト○○点アップ!」のような掲示が塾はよくあります。当たり前ですが、良いものを見せているのであって、みんなそうなるわけではありません。ただ、塾の先生は良い成績を見せることで生徒が単純に集まると考えています。そして実際に集まるのです。私は関東の中学受験で100人以上のクラスを担当していて、93%という第一志望校合格率を出しました。これは大きな評判となりました。その次の春に私は受験学年の担当を自らはずれました。最初は93%でちやほやされて、私も鼻が高くなっていたのですが、落ちてしまった7%の生徒の寂しげな表情が夢に出てきてしまい、やっと気づくことができたのです。塾講師は数字を相手にする仕事ではなく、子供という人格のある人間を相手にする仕事で、このままちやほやされていてはいけない、誰ひとりさびしい思い、悲しい思いをさせてはいけないとやっと気づいて、ちやほやされることから退場したのです。もちろん、多くの塾は実績という数字で競い合っています。私が少数派なのはわかっていますが、一石は投じたいと考えています。

2.大手がいいか地域の小さな塾がいいか

あなたの住んでいる地域にもよく見る塾はありますね。今、大手の塾が創立40年なんかを迎えていますので、もしかしたら自分自身が通っていたというお父さんお母さんもいるかもしれませんね。それに対して、一定の地域に根差して、小さいながらもがんばっている塾もあります。1.で、集団か個別か決めたら、次は大手がいいか小さな塾がいいかを考えましょう。

結論から言うと、これも決定的な違いはありません

大手は、大きな建物、きれいな見た目、自社ビル、教材もテストのシステムもしっかりしている、大手に入れておけば、今までのデータもあるから安心、と思いますよね。

小さな塾というのは「○○塾」のような個人経営の塾も含みます。小さな塾は、地域に根差しているから大手より細かな情報がわかりそう、小さいから生徒もそんなに多くないし一人ひとりを見てくれそう、先生の顔が見えるから安心、という良さがあります。

あるお母さんが上の子の時に経験した話です。大手が安心だろうと思ってあまり考えずに家から一番近い集団塾に入れた。しかし、成績が上がらず、友人が通っているという全部で2教室しかない小さな個別塾へ移った。もちろん、大手に払いきったテスト代や教材費などの年間の諸費用は返ってこないし、個別塾にも入会金や教材費を払った。わが子がずいぶんすらすら新しいテキストの問題を解いているなと思ったら、子供は「前の塾と同じテキストで、もう習ったところだからすらすらできる」と言った。見ると、表紙だけが違って、中身は同じだった。という話です。

実は、塾用教材を作成している出版社はそんなに種類がありません。学校教科書を作る出版社数と同じぐらいです。別料金を支払えば、表紙を巻き直ししてくれる出版社がほとんどです。だから、表紙には「○○塾オリジナルテキスト」などと書いてあります。小さな塾でもテキストを使わない塾はあまりないでしょうから、教材に関しては大手も地域の塾も変わりません。中学受験については大手の各塾が独自のテキストで行います。これはそれに代わるテキストがないからです。中学受験用の教材がしっかりしている大手も関東に3社ほどしかありません。関西の大手は10年前と同じ内容だったりするので、もう少し努力が必要です。もっとも信用できる中学受験教材は、教材だけでも通販で販売していますし、全国に提携塾を持っています。○と~を組み合わせたロゴで、全国的なテストも開催しているのですぐわかるかと思います。

次に、テストのデータですが、少子化の現在、一つの塾で独自のテストを開催したところで充分なデータ数は集まりません。だから、各都道府県にテスト会社というものが存在するのです。いろいろな塾と提携して、まとまったテストを開催しています。それが最も多くのデータ数を持ちますし、信頼できる情報を持っています。だから大手も地域の塾も参加します。同じテストを受けます。テストについても、大手と地域の塾で違いはありません。それなのに、塾によってテスト代が違うのはなぜですか、と思いましたか?そこに気づいてくれた方は素晴らしいです。受けるテストの一回分の料金をテスト会社のホームページや問い合わせで調べてみてください。どのテスト会社も、その金額とまったく同じか少し安い金額で塾に料金を請求しています。中には異常に高いテスト代を設定している塾があります。大手でもいまだにあります。塾は月の授業料は価格競争をします。赤字を目指しているわけではないので、価格競争でマイナスになった分は他で取らなければなりません。それが、教材費、テスト代、講習会費用となっていくのです。高校生対象の塾などは、教材費をもらいながら、学校の教材を使ったり、市販の問題集をお勧めといって買わせていたり、赤本をコピーしたりしています。赤本を買うぐらいにしか使ってないはずなのに、立派に教材費をとる塾は普通に存在しています。

 

さて、先ほどのお母様ですが、同じ教材だったとしても、わが子がテキストの1ページに書き込んでしまった、持って帰るときに角が少し擦れてしまったという理由で、テキストは表紙違いで2冊ずつ買うこととなりました。あまりにもよくあることなのか、子供の手前だからなのか、文句を言えないで、泣き寝入りをしている人は多いと思います。

 

最後に、講師の問題ですが、大手のほうが研修をしっかりしているイメージですね。1.でも書きましたが、研修については今はそんなに厳しくはやっていません。むしろ、誰でも同じレベルの授業ができるようにマニュアル化されつつあります。それは、塾講師というのは離職率の高い職業だからです。大手のほうが若くて活きのいい先生はいるでしょう。でも、離職する可能性はあります。企業としては、離職しても後任が苦労しないよう、同じレベルの授業をだれもができるようになっているのです。授業がマニュアル化されて、誰でも同じ授業をするのであれば、映像授業でもいいだろうというのが、映像授業が広がりつつある一因にもなっているのです。

かといって、地域の個人塾がいいかというと、それが大きな問題です。個人塾の先生は授業のライバルがいないのです。塾の先生は、生徒に勉強しろという割に、自分は全然勉強しないという人がものすごく多いのです。特に、ライバルのいない環境だと、授業技術の向上など考えにも上がってこないかもしれません。地域の小さな塾で、10年前と同じ授業をしている人がいて、授業中のギャグまで10年前と同じで、私を驚かせてくれる先生が結構います。化石ですね。中には堂々と「10年前と同じ授業してるのに生徒の食い付き悪いな。子供の質が悪くなったのか、自分が歳をとったせいか」と、しかも半分冗談交じりに言う人までいました。もうここまで来るとアドバイスするはずの私も言葉を失いました。

 

●まとめ

結論は先に書きましたが、教材、テストについては大手も小さな塾も内容は全く変わりません。中学受験だけはその例ではありません。講師については、大手でも小さな塾でも努力して優れた先生はいます。しかし、マニュアル化された先生も10年前から変わらない先生もいます。しっかりと見なければいけないポイントです。

もし、私なら、ということで言いますと、まず大手で検討することはないでしょう。大手は大手になるために多大な努力をしてきたと思います。その、草創期は良い塾だったと思います。しかし、一度大きくなれば、小さくはなりたいくないのがどの会社も考えることです。しかし少子化です。生徒の数が減っても売り上げを保つためには単価を上げるかコストカットするしかありません。無駄なテストや講座を頻発して、単価を上げ、講師の質を下げて、マニュアル化された若い講師を使って人件費を抑えるようになっています。その割に教育とは関係のないところに会社のお金を使ったり、クレーム対応でお金で解決したりとなかなかきれいではない部分が見えてきてしまいます。小さな塾でも、先生についてはよく見るようにします。親として、塾が良い方向に変わっていくように要望は出すと思いますが…