「成功する」塾選び 10の観点

学習塾の経営コンサルタントが教える、正しい塾選び

4.体験授業に行ってみよう

次はいよいよ体験授業に行ってみましょう。この体験授業の形式も塾によって違います。体験授業の前に面談に行く、体験授業と同時に面談を実施する、体験授業の後に面談をする、体験授業の後に電話連絡が来る、体験授業しかしない。体験授業も1週間、3回、1回だけ、などさまざまあります。集団塾であれば、開講している授業を塾生に混ざって受けることとなり、普段の様子が最もわかります。しかし、個別指導塾は普段の授業の様子というのはわかりづらくなります。なぜなら、体験授業を担当する講師はその教室で最も優秀な講師でしょうし、授業の内容も最も面白く上手に説明できる内容となるからです。個別指導塾の体験は、その教室全体が持つ雰囲気を味わうことがメインとなります。体験授業というと、本人は緊張します。よい緊張感で授業を受けるので、いつもの授業よりもわかると思います。だから、集団塾でも個別指導塾でもその教室の雰囲気を味わうということが大事になります。本人がこの塾は絶対に嫌だと言ったら、それには言葉にもできないような本当にいやな理由があると思います。いくら保護者の方が気に入っても、本人が絶対に嫌だというところは選ばないほうがいいと思います。本人が絶対に嫌だという理由にはいくつかあると思います。はっきりと言ってくれれば納得もいきますが、どうしても嫌だという場合もあります。学校で仲の悪いクラスメイトがいたとか、担当した先生が馴れ馴れしくて嫌だとか、いろいろあるのだと思います。本人が乗らなければ、勉強の効率も悪くなるので、お金の無駄遣いにならないように本人の意見はよく聞きましょう。

体験授業で本人が大きく変わると期待はしないほうがいいです。しかし、授業直後は絶対にこの塾がいいといい笑顔で言ってくれる場合もあります。勉強する場に行きたいと目を輝かせて言ってくれたらうれしいですよね。塾側もそんな風に言ってくれたら、とてもうれしいです。やってて良かったと実感できる瞬間でもあります。その場合も理由は聞いておいてくださいね。どうして行きたいの?がんばれそうだから。じゃあ期待しているよ。という会話があってほしいです。塾側も即決してくれるとうれしいですが、その場の勢いだけで決めても、あとから思っていたのと違ったということにならないように、勉強をしに来るという目的意識は持ってほしいと願っています。

保護者の方も昔のように授業を受けてみたいと思うかもしれませんが、本人の集中力がそげたり、周りの生徒の集中力がそげたりするので、のぞくだけにとどめておきましょう。保護者の方は面談という大事な役目があります。

体験授業時に本人に付き添いで行くこともあると思います。面談で行くにしろ、教室の中を見るチャンスですので、しっかりと見てきてください。掃除が行き届いているか、職員のデスクは乱雑でないか、教室内での飲食の様子、他の生徒の様子など一瞬で目に入ってきて、一瞬で確認できるものです。特に他の生徒の様子は、重要です。知らない生徒なら挨拶まではなかなかしないとは思いますが、生徒が明るいか暗いかは雰囲気でわかります。授業中であれば、集中しているか、寝ていないかなど見れます。自習室のある教室では自習している生徒の様子が見れます。自習室で寝てないか、飲食してないか、しゃべってないか。職員のデスクが乱雑であれば、忙しい方なのかもしれませんが、デスクの乱雑さはその人の頭の中の乱雑さを表します。仕事ができる人かというと、否です。教室の電話の様子もよく見てください。電話がよく鳴る教室は、うまくいってない証拠です。職員がしっかりしてなければ、連絡事項など伝わってないことが多いので、電話がよく鳴るのです。もし、授業時間に社内の電話をしているのであれば、それはその会社がもう駄目です。どんなに急用でも、授業をしていないとわかっていても、生徒がいる時間に社内の用で生徒対応の時間を無駄にするような塾は良い塾ではありません。教室の匂いのような空気感は感じ取ってほしいと思います。塾とラーメン屋はよく似ています。どんなにおいしくても汚いラーメン屋は入りづらいです。どんなに評判が良くても、汚い塾は入りづらいですね。掃除の様子もうかがってください。ゴミが落ちている、角にほこりがたまっている、エアコンや靴箱がにおう。面談で生徒が使っている机を利用するのであれば、拭き掃除の状況も見えます。たまに、拭き掃除をしていないどころか、消しゴムのかすが乗っていたりします。よく見てみてくださいね。

さて、いよいよ面談です。面談では営業トークを聞くだけではなく、こちらからもいくつか質問しましょう