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「成功する」塾選び 10の観点

学習塾の経営コンサルタントが教える、正しい塾選び

6.絶対に聞くべき質問①

面談で散々その塾の宣伝を聞いたら、今度はこちらから質問をして、その塾のことやその先生のことを知りましょう。

 

・この塾の売りは何ですか?

・この塾を卒業するときにうちの子はどうなっていますか?

 

聞き方は変わるとは思いますが、一例としてはこの2つです。この2つの質問で何を知ることができるのか、が大事ですね。コーチングテクニックと同じで、質問することで相手にどういう行動をとってほしいかという目標を持って質問しなければ意味がありません。

 

まず、この塾の売り、についてです。これは私がされて困った質問の一つです。しかし、とてもいい質問だと思うのです。この一つの質問でいくつかのことが分かる便利な質問です。まずはその先生がスムーズに答えられるかどうかを見てください。しどろもどろになるということは、何も考えずに、何も準備せずに面談に臨んでいる先生なので、これ以上話す価値はありません。でも、よくあることなのです。自分の話したい営業トークばかり並べて、それはスムーズにしゃべるけれども、予想外の質問には弱いという先生もいます。塾の先生は営業の専門的な訓練を受けているわけではないし、向上心の低い人も多いです。学んできていない人が意外と多いのです。次に、答えの内容ですが、集団と個別の違いを説明する人もいます。こちらが答えさせたいのは、その会社全体のことではなくて、お子様が通うことになるかもしれないその教室についてです。同じ会社でも教室によって運営は違います。違わないようにマニュアル化されていますが、運営する人が違えば、教室の雰囲気は違ってくるはずです。ロボットではなく人がやっていることですから。同じブランド名でもフランチャイズで全然内容が違うということもあります。YDKで有名な全国的な個別指導塾はフランチャイズなので、教室によって全く違う塾といってもいいぐらい、当たり外れがあります。

さらに、他と比べる先生もいます。○○塾と比べて、うちはこうです、と。近所の○○塾は集団で、先生も厳しいし、宿題も多いし、日程も融通が利かないし、それに比べてうちの塾は個別だから生徒さんに何事も合わせて進めることができますよ、という感じでしょうか。この説明の仕方をする先生も信用できません。自分の教室に売りがたくさんあれば、他と比べる余裕などないはずです。言いたいことがたくさんあるはずなのです。そこで他塾の話が出てくるということは、自分の教室に自信がないからです。他と比べなければならないのです。これはテストが返ってきた子供の反応と同じです。60点なんかとって!とお母さんに怒られたら、本人は、平均点が低くて、とか、友達の○○くんより上だよ、とか言いますよね。大人も同じです。特に子供大人が多い塾業界ですから…。

その塾が持つ教育理念をしゃべる先生もいるでしょう。私がそうでした。ただ、教育理念を滔々と話す人にはさらに突っ込んでください。教育理念とは、自立した人間を育てる、など抽象的な内容です。それを丸暗記のようにバカみたいに繰り返す先生はただのバカです。だから、具体的にはどうなんですか?と突っ込んでください。

だって、どうすれば自立した人間が育つかなんて、決まった方法があるのですか?人の気持ちを慮る人間の育成と理念を掲げて、その塾は何を教える塾なのですか?絶対合格という理念を掲げて、今まで不合格の生徒はいないんですか?いないんだったら、受験制限をしているでしょうと疑ってください。多くの塾の先生はこの段階で、具体的には話せません。信用できませんね。

 

では、この質問で、相手にどのような行動を期待することができるのか。

これは大きなことなのです。そこで先生が話した通りの指導をわが子にはしてくれるはずです。本人とたくさん話して、勉強に前向きにするのが売りです、と言ってのけた先生は、そこで保護者との約束となってしまったことに気づくはずです。こちらが、じゃあお願いします、と言えば、その時点で約束が成立し、その先生は自分が言ったとおりがんばってくれるでしょう。もし、入会後に、言ったとおりにしていなければ、電話してやればいいのです。もしくは次の面談の時にもう一度同じ質問を聞いてみるといいのです。予想外の質問には、口から出まかせを言っている先生もいるという疑いは持っておいていい常識です。だから、自分の口で言ったとおりに教室を運営しなさいよ、うちの子にサービスしなさいよ、という約束をすることがこの質問の目標です。直接は言いづらいですよね。サービスしなさいなんて。でも、うまく相手に言わせることができれば、直接言う必要もないのです。

 

次に、この塾を卒業するときにうちの子はどうなっているか、という質問です。

この質問の意図は、卒業というひとつのゴール地点を塾の先生がどう見据えているかを確認することです。そして、とらせたい行動目標は、上記と同じく、自分で言ったからにはその行動を全力でやりなさいという約束です。

まず、意図のほうですが、塾の先生から引き出したい言葉は、「合格」です。あれ、おかしいな、と思いましたか?私は合格をゴール地点に置く塾は信用できないと何度も言ってきています。考えが変わったの?というわけではありません。あくまで、塾のゴール地点は合格です。それを求めて塾探しをするのです。合格が大前提として存在し、そこから理念に沿った指導というのが付随してくるのです。だから、先ほどの質問で散々教育理念を語らせ、今回の質問では、実際のところを語らせるのです。ここでまた教育理念を持ち出したら、それは塾の先生の負けです。塾の先生からしたら、さっきも説明したのにまた説明するの?面倒くさいな。と思いながら、先ほども言いましたが、卒業時には自分で考え行動できる人になっていてもらいたいと考えております、なんてことを自信満々で答えるのです。そんなことを言ってきたら、「それはさっきも聞きました。」とだけ言って黙ってあげてください。塾の先生は焦りますよ。塾の先生の心理には、このお母さんは同じような質問をしてきて、さっきの質問の答えを聞いていたのだろうか、面倒くさいけどもう一度話してやろうという気持ちがあり、主導権は自分が持っていると勘違いしています。その主導権を一気にお母さんのほうに引き寄せましょう。その時に使うテクニックが、これです。「それは先ほども聞きましたけど…。」大事なのはその後、黙るということです。カウンセリングのテクニックで、カウンセラーの沈黙があります。患者に話をさせるためのテクニックです。それを使うのです。塾の先生は、自分の答えは間違っていた、お母さんが求めているものは違った、と焦りながら、正しい答えを探します。そうやって塾の先生に考えさせてください。そうすれば主導権はこちらにやってきます

塾の先生は、「合格」がゴールです、とは言いたくないのです。不合格の可能性があるわけですから、約束をしたくはないのです。だから、ゴールは合格ではなく、その先にある人間力ですなどと言って逃げるのです。理念として、人間力を育てるというのはとてもいいことですし、教育機関はそれを目指していなければいけないと考えます。それでも、「合格です」という一言を引き出してあげてください。

どうしても「合格」と言いたくない先生はさらに逃げ口上を述べるかもしれません。楽しく学びながら、自信をつけていきたいと考えております、とか言ってくるかもしれません。そうしたら、「そうですか、それなら他の塾でも同じことを言われました。」と言って黙ってください。そうすれば、塾の先生は他の塾には負けたくないので、「自信をつける最大の要因は合格だと思います。だから、最後は合格を勝ち取って、いい笑顔で卒業できるように願っております。」と言ってきます。ここまできても、まだ、「万が一合格できなくても、人間として成長していることを目指します。」と言っていれば、その先生はよほど自分の指導力に自信のない先生です。信用はできないかもしれません。

これによって、合格に向けての指導ということが約束されました。この二つの質問で、こちらからはちょっと言いづらい約束でも、塾の先生の口から言わせることに成功します。経験あるとは思いますが、世の中、口から出まかせで生きている人は結構いるのです。