読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「成功する」塾選び 10の観点

学習塾の経営コンサルタントが教える、正しい塾選び

8.塾は利用する場所

いくら指導力のある塾だったとしても、与えられるばかりになって、利用しないと思ったような成績は得られません。なぜなら、塾は最後には逃げ口上を垂れることができるからです。成績が上がらないのはお宅のお子さんが勉強しなかったからです、と。いやいやそんなことはわかってるよ、勉強しないからそちらの塾に子供を預けたんですけど。と言いたくなりますよね。消費者の観点から言うと、当然塾側が悪いのですが、現実はそうも言えません。同じ塾に通っていても、伸びる子は伸びるし、伸びない子は伸びない。伸びる子がいるということは塾としてのやり方は間違っていない。伸びない子は言われたとおりに勉強しなかった。という三段論法ができ上がってしまうのです。そしてそれも事実なのです。じゃあ、うちの子が勉強しなかったせいだと泣き寝入りをしろと言うのか、というとそういうわけでもありません。塾は勉強を教える場所、子供は努力するもの、という構図を変えていかなければならないのです。それが現実できていない。だから、塾はどこに行っても同じことをやっているし、伸びる子もいれば伸びない子もいる。

塾側はなかなか変わりません。塾の先生は先生稼業をやってきたせいで、自分は正しいと思い込んでいます。日本社会が変わっていることに気づかず、子供も変わってきていることに気づかず、10年前と同じ考え方で10年前と同じ仕事をしています。子供がスマホを持っているから勉強できないんだと言っています。5年前の統計資料を持ってきます。18歳以下の子供へのスマホの普及率、スマホを利用する時間の資料、学力の推移。ほら、スマホを持つ子供は勉強ができないのですよ。と煽るわけです。統計を利用する人は都合のいい解釈しかしないですからね。都合のいい統計資料を持ってくる。いやいや、スマホを長時間利用する子供の学力が下がっているだけじゃん、と同じ統計資料でも違う見方はできてしまうのです。単純に、スマホを持っているから悪いのではなく、利用の仕方の問題なのです。

でも、現実は、まんまと煽られてしまう方も悪いと言えば悪いのです。説得力のあるプレゼンには必ず数字の資料がついています。コンサルタントをやる中で、数字の資料の説得力は大きいと実感しています。広告でも、98%の人が満足と答えています、という宣伝文句を見ると、いいものなのかなと思ってしまいます。これだけ物事を簡単に調べられる時代になったのだから、自分で調べて、その数字の情報が正しいものなのか、他の見方はできないものか、自分で考え判断する力を大人もつけるべきなのです。そしてそれは子供たちにつけていきたい力でもあるのです。そのためにはまず大人からです。

で、ここで一番言いたいことですが、塾は子供の預かり所ではありません。だから、預けるだけでは、成績は上がらないのです。目標とする学校には合格しないのです。子供のやる気を維持でも上げて、成績をなんとしてでも上げる、なんとしてでも合格させる、と心から考えられる塾の先生は少ないです。不合格になって涙を流しながら謝る塾の先生なんてもう見かけません。ウソ泣きでもなんでも、嫌だなと思いながらやっている人が多いのです。なんとかその場の怒りだけを鎮めようと躍起になっています。そして最後にはお宅のお子さんが勉強しなかったせいだと思っているのです。塾の中では、自分が勉強しなくて、落ちたのは当然なのにあいつは塾のせいにしやがったというショッキングな会話が行われることだってあるのです。私はまだそんな現場に出くわしたことはありません。そんな現場に出くわしたら、私はがっつり怒ってその塾の看板を壊してしまいますから。不合格になるのは子供のせいではありません。受かるか受からないかなんて、経験のある塾の先生なら一年前からわかるはずです。だったら、その現実を受け入れて、一年間がんばらせるしかないのです。がんばらせるのも塾の仕事です。このままでは落ちますよ、と言って志望校を下げさせるとか脅すとか、塾の常とう手段ですが、それは間違いなのです。だったらがんばらせてくれ、脅すだけじゃなくて、どうやったらいいのか、教えてくれ、そもそも本人のやる気の問題なら本人のやる気が上がるようになんとかしてくれ、と言いたくなります。

だから言ってください。

塾は利用する場所なのです。今のやり方で間に合わないのであれば、どうすれば間に合うのか、考えなければなりません。そして、間に合うように、塾を利用してください。親が言っても本人が言うことを聞かないのであれば、塾の先生から言わせてください。

でも、そこも注意が必要です。本人のやる気が上がるように先生から言ってもらっていいですか?というお願いを保護者の方から聞くことがあります。そう言われて塾の先生は何かすると思いますか?何もしないのがほとんどの塾の先生ですよ。学校の先生もそうですよ。そんなこと言われても困るというのがほとんどの先生ですよ。だから、言い方を変えなければなりません。「本人のやる気が上がらないのですが、先生ならどうかしてくれますか?」です。これで断る先生はいません。「はい、任せてください。」と答えます。そうしたら、「どうやって上げてくれますか?うちではなかなか難しくて…。」と言うのです。塾の先生は「私からまずは本人と現実の状況も踏まえて話します。他の授業担当からの意見も聞いて今の時期に何をしなければいけないのか具体的に話していきます。それでも変わらないようだったら、三者面談でもしましょう。」みたいに心強い言葉を言ってくれます。これは私のコーチング理論なのです。漠然とした質問では、相手はその場をやりきる返事しかしません。つまり考えないのです。だからって、本人と話してください、と直接お願いしても、相手は何を話すか考えずにその場をやり過ごします。私のコーチング理論と言うのは、やってほしい行動があれば、質問をしてその行動をするように、本人に考えさせて、本人の口から言わせるということです。人間の行動の答えはすでに人間の中にあります。本人と現状について率直に話すということが、答えなのであれば、その行動をするように相手の口から言わせるのです。そのための質問をしていくのです。質問の答えを考える間に、相手は自分がこれからする行動の正解を考え、見つけ出していってくれます。

 

私のコーチング理論の一部はこちらでも紹介しています。

 

もう言わない「勉強しなさい」 10のコーチングテクニック

 

自習室を用意している塾はたくさんあります。その自習室を信用しきってもいけません。質問できる環境なのか、本人が実際に集中してやっているのか、確認しなければなりません。とにかくやってほしい行動があったら、こちらからどんどん言っていかなければなりません。塾を利用するのです。塾側も利用されることで進化していかなければならないので、うるさい親と思われるかもしれませんが、あとあと感謝されるはずです。一人でできなければ、仲間を増やしてください。塾にとって、お母様方というのは大事な大事なお客様です。本人たちから言うよりも効果は大きいのです。